今回は列車見張員の携行品について解説していきます。
それでは順を追って説明します。
列車見張員とは
- 列車の接近を工事指揮者に伝え、作業員の安全を確保する。
- 危険を感じたときや、工事指揮者の指示があったときに列車停止合図を行い列車の防護を行う
というような役割がある者を指します。
線路閉鎖や列車を侵入させない措置をしていない場合は必ず列車見張員が必要になります。
次に列車見張員の携行品について説明します。
列車見張員の携行品はこれだけある
会社規定(触防)や作業内容により携行品が違うのですが、今回は基本的な携行品を説明します。
ですが、初心者は必ず先輩社員や上司に聞いてから現場に向かうようにしてください。
単線区間
・当日の列車ダイヤ
・GPS装置
・特殊支援装置
・携帯用特殊信号発光機
・アラーム付きタイマー
複線区間
・GPS装置
・特殊支援装置
・携帯用特殊信号発光機
単線及び複線共通
・青ヘルメット
・黄色ベスト
・安全靴
・ダイヤ消し用のマーカーペン(茶色含む)
・腕時計
次に重要なポイントを解説していきます。
単線と複線では携行品が違う
まず、単線と複線での列車見張り作業で大きな違いは「時間待避」か「現物待避」かです。
時間待避
単線は時間待避です。
なぜなら単線は線路が1つしかなく、列車がどちらからくるか分からないからです。
そのため、作業員や工事指揮者、列車見張員含む全員は時間前待避を行わなければいけません。
時間前待避を行うために必要な携行品は「当日の列車ダイヤ」「アラーム付きタイマー」です。
作業前MTや作業前に工事指揮者に当日の輸送指令員とダイヤ打ち合わせをした時間を聞いておきましょう。
日によってダイヤが「ウヤ」になったり「順序変更」や「行き違い変更」が発生する可能性があるためです。
ウヤ・・・所定列車がその当日に走らなくなること
順序変更・・・上り下り列車の順番を入れ替えること
行き違い変更・・・駅構内で行き違う列車を違う駅構内で行き違わせること
その他にも冬の時期には「霜取り列車」と呼ばれる列車が走ることもあります。
始発列車までに霜取り列車を走らせて、線路や架線についた霜を取る列車になります。
なので、夜中に線閉を取って作業を予定していた場合は間合い時間(作業時間)が短くなってしまったり、作業中止になる可能性があります。
現物待避
複線は現物待避になります。
現物待避とは、列車見張員自身の目で列車を確認し、指揮者や作業員全員に報告し待避する方式です。
単線との違いは、片線からしか列車が来ないという点です。
なので、列車ダイヤは携行しないようにしましょう。
列車ダイヤを持ってしまうと、ダイヤばかりに気を取られて列車進来に気づかなくなり、最悪触車してしまう恐れがあるからです。
現物での待避方式なので「当日の列車ダイヤ」や「アラーム付きタイマー」は必要ありません
特殊支援装置や特殊信号煙管って何?
特殊支援装置
特殊支援装置とは列車を停止させる必要があるときに発報ボタンを押すことにより、列車無線の周波数によって列車の運転士などに「緊急停止」の音声を送信することが出来る装置です。
一度ボタンを押下すると、再度リセット(再設定)しなければいけません
携帯用特殊信号発光機
緊急時に列車防護を行うための携帯型の特殊信号発光機です。
緊急時などに横に大きく振ることで列車防護を行うことができます。
従来では「信号炎管」という火薬を使用している発煙筒を使用していましたが、現在では視認性や保管期限がない携帯用特殊信号発光機を使用しているところが多いです。
まとめ
今回は列車見張員について解説しました。
列車見張員は鉄道業界では無くてなならない人材で需要があります。
また、普通の交通誘導員より鉄道という特殊な環境で働くことで単価も高い傾向があります。
ぜひこの機会に転職や就職に活用してください。
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