皆さんは「鉄道オタクは鉄道会社には入れない」という噂、都市伝説を聞いたことがあるでしょうか。
鉄オタの方なら一度は夢見たことのある電車の運転士ですが、運転するなら鉄道会社に入社しなければなりません。
鉄道会社は鉄オタを敬遠しているという噂ですが、本当なのでしょうか?
今回はその噂の根拠や実態を、筆者の友人の鉄道会社社員の証言も交えながら解説していきます。
「鉄オタは鉄道会社には入れない」の噂の出どころとは?
この噂の正確な発祥時期や出どころは不明です。
しかし、ネット上ではまことしやかに流布されています。
そのネット上の噂を見てみると、
- ・鉄道の趣味を仕事に持ち込まれては業務に支障が出る
- ・内部犯行と思われる列車の備品の盗難が多い
など、本当か嘘か分からない、偏見にまみれた情報が多いです。
推測ですが、鉄オタの趣味へのこだわり、熱心さが、安全第一である列車運行の業務に支障が出るから、鉄道会社が採用を敬遠するようになったという、根拠もない噂であると思われます。
過去には列車の運行を妨害した事象もあるが…
確かに過去には、鉄道オタクの方が列車の写真を撮るために線路に侵入したり、駅員に暴言を吐いたりといったニュースもありました。
しかし、それは個人の人間性の問題であり、ほとんどの鉄オタの方はしっかりとルールやマナーを守って、正常な趣味の範囲で楽しんでいます。
偏見を持つことはあってはならないと思います。
そのようなイメージもあって、噂の広がりを助長していった事も考えられます。
実際に鉄道会社社員に聞いてみた!鉄オタは鉄道会社に在籍しているのか?
実際に筆者の友人Y氏(鉄道会社勤務)に聞いてみました。
鉄道会社に鉄道オタクは在籍しているのでしょうか。
筆者 「ぶっちゃけ鉄オタって鉄道会社にいるの?」
Y氏 「普通に在籍しているよ!ただ僕の会社だと、100人に2~3人くらいかな。あまり多くない。」
筆者 「鉄オタの社員って普段職場でどんな感じ?」
Y氏 「あまり”濃い”鉄道趣味の話はしてないな。どちらかというと、趣味の話をすると敬遠される感じ。でもプライベートでは、頻繁に電車で旅行したり、Nゲージ作ったりと、楽しんでいるみたいだよ。」
Y氏の鉄道会社はかなり規模が大きい会社ですが、社員の中で趣味の話をすると、社員によっては温度差が大きく、敬遠されることも多いようです。
入社したいなら鉄オタであることを隠した方が無難
筆者 「やっぱり鉄道会社は鉄道オタクを採らないのか?」
Y氏 「そんなことはない。だけど、やっぱり面接で志望動機を”電車が好きだから”はちょっと弱いんじゃなかな。結局、会社で売り上げ出さなきゃいけないんだし、協調性を持って正常に業務を遂行することが大切。」
筆者 「じゃあ、面接では鉄オタであることを隠した方が良いの?」
Y氏 「面接では隠した方が無難。一部の鉄オタの事象とかもあるけど、本質的にはいかに会社の売り上げに貢献できるか、業務で力を発揮できるか、自分の実績を交えてアピールすることが必要。実際に在籍している鉄オタの社員も、面接では隠してたって言ってるからね。」
実際に関係者に聞いてみた話だと、”鉄オタは入社できない”は、半分本当で半分嘘であるという事が分かりました。
「鉄道が好き」だけの志望動機は弱く、鉄道好きをいかに鉄道会社の運営に貢献できるか、面接で根拠を持って説明できないのであれば、面接で「鉄道オタク」であることを隠した方が無難と言えるでしょう。
入社するなら適性試験の突破が一番重要
Y氏に聞いた限りでは、鉄オタの社員でも面接で隠していれば入社できるということが分かりました。
しかし、面接以上に最も大切なのが、適性試験を突破することです。
適性試験とは、運転関係の作業を行うために必要な個人の適性を測る試験です。
大抵の鉄道会社の入社試験に導入されています。
入社するなら、まずこの適性試験を突破しなければなりません。
入社してから適性がなく、運転関係の職種ができないとなったら会社的にも本人的にも困りますから。
内田クレペリン検査や図形の問題を解いていく「運転適性検査」と、視力・聴力・色覚などの身体検査を行う「医学適性検査」において、それぞれの会社が定める基準を突破していなければなりません。
会社によって異なりますが、Y氏の鉄道会社では、この適性試験の合格をもって最終面接に進めます。
よって、鉄オタかどうかではなく、まずは適性試験の突破を重視して入社対策を行いましょう。
適性検査についての記事はこちらの記事がよく読まれているので、参考に見てみてください。
まとめ
- 「鉄オタは鉄道会社には入れない」の噂の出どころとは?
- 実際に鉄道会社社員に聞いてみた!鉄オタは鉄道会社に在籍しているのか?
- 入社したいなら鉄オタであることを隠した方が無難
- 入社するなら適性試験の突破が一番重要
今回は鉄オタは鉄道会社に入社できない噂の検証を、実際の鉄道会社社員に聞いて検証を行いました。
実際には、面接で「鉄道好き」を会社の運営・売り上げに貢献できるかアピールできる武器がなければ難しいようです。
更にそれよりも、適性試験を突破しなければ面接にも進めない場合が多いので、入社を考えているならば、まずは適性試験対策を行っていきましょう。
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