鉄道業界への転職を考える際、「検査」と聞くと運転士や車掌を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、技術職・保守職でも各種検査はしっかり行われます。
信号、電気、軌道、車両、土木――。
これらの仕事は直接ハンドルを握るわけではありませんが、安全の根幹を担う重要な職種です。この記事では、技術職・保守職を志望する人向けに、どのような検査があり、何を見られているのかを詳しく解説します。
技術職・保守職の検査は「安全に作業できるか」が軸
まず理解しておきたいのは、技術職・保守職の検査は
「列車を運転できるか」ではなく、「現場で安全に作業できるか」
を確認するものだという点です。
具体的には、
・高所や屋外作業に耐えられるか
・夜間・不規則勤務に対応できるか
・異常を見逃さない注意力があるか
といった観点が重視されます。
そのため、検査内容や基準は乗務員とは少し異なります。
主な検査内容① 健康診断・身体検査
技術職・保守職でも、採用時には健康診断が行われます。
内容は一般企業と大きく変わりませんが、現場作業を想定したチェックが含まれるのが特徴です。
特に見られやすいのは、
・血圧や心疾患の有無
・腰・関節など、作業に支障が出やすい部位
・過去の大きな怪我や持病
重機の操作や線路内作業があるため、突発的な体調不良のリスクは慎重に確認されます。
主な検査内容② 視力・色覚検査
技術職でも視力検査は実施されますが、
運転士ほど厳格な基準が設けられていないケースがほとんどです。
多くの場合、
・矯正視力で基準を満たせば問題なし
・細かな数値より「実務に支障がないか」が重視
されます。
色覚についても同様で、
信号・表示灯・配線識別など、業務上必要な色の判別ができるかがポイントになります。
色覚特性があっても、配置や作業内容を考慮して採用される例は珍しくありません。
主な検査内容③ 聴力検査
技術・保守の現場では、
・異音の検知
・警報音の聞き取り
・作業員同士の声掛け
が重要になります。
そのため聴力検査も行われますが、こちらも「完全に問題なし」である必要はなく、安全作業に支障がないかが判断基準です。
主な検査内容④ 適性検査・作業適性
技術職・保守職向けの検査で特徴的なのが、作業適性を見る検査です。
たとえば、
・同じ作業を正確に繰り返せるか
・注意力が持続するか
・確認作業を省略しない性格か
といった点が、ペーパーテストや簡易的な実技検査で見られることがあります。
鉄道の保守作業は「慣れ」が最大の敵です。
そのため、慎重さ・確認癖・ルール順守といった資質が高く評価されます。
技術職・保守職で検査に落ちるケースとは?
技術職・保守職で不合格になる場合、
「能力不足」というよりも、
安全配慮義務を果たせないと判断されたケースがほとんどです。
たとえば、
・高所作業が医学的に困難
・夜勤が健康面で大きなリスクになる
・注意力に著しい問題がある
こうした場合、
・職種変更の提案
・事務系への転換
が行われることもあります。
事前にできる現実的な対策
技術職・保守職志望者ができる対策はシンプルです。
・健康診断で指摘事項を放置しない
・視力矯正や体調管理を行う
・「完璧に見せよう」と無理をしない
鉄道業界では、正直さと安全意識が何より重視されます。
おわりに:技術職の検査は「現場に立てるか」の確認
技術職・保守職の検査は、
厳しく選別するためのものではなく、
その人が安全に現場に立ち続けられるかを確認するためのプロセスです。
鉄道はチームで安全を守る仕事。
検査は、その一員として適切かどうかを見極めるための、大切なステップなのです。


コメント