通勤ラッシュで、多くの乗客が電車から吐き出されてくる光景や駅構内の雑踏を目の当たりにすると凄まじいものを感じます。
これは、多くの、通勤者、通学者がこぞって鉄道を利用していることの証だとも言えます。
しかし、これらは都会のみで見られる光景であって、地方の駅構内では決して見ることはできません。
地方では、鉄道の利用者が減速の一途をたどっています。
小さな田舎の駅では、一日の乗降者が10人にも満たないところもあります。
ローカル線の走る地域住民の鉄道離れは思った以上に深刻な問題です。
このまま採算が見込めないローカル線を存続維持することは困難でしょう。
昔は利用者が多かった
昔、そう昭和40年代頃までは、ローカル線と言っても、鉄道の利用者が多いものでした。
幹線道路伝いのローカル線は、バスの乗客よりもはるかに多かったような気がします。
地方の小都市と隣接する小都市をつなぐ路線でしたから、朝夕の通勤客、通学客でいつも満席状態でした。
座る席がなくて、立ったまま通勤、通学する乗客も多く見られたものでした。
それから昭和が終わり、平成や令和の時代になると、ほとんど乗客の姿が見られなくなりました。
どうして乗客が減ったのか?
乗客が目減りした要因はさまざまでしょうが、次のような原因が考えられます。
(1)車社会となり、私有車で通勤、通学するようになった
(2)高速道が整備され、通勤時間、通学時間が鉄道よりも
短縮できるようになった
(3)沿線の人口が減った、少子化が顕著になった
(4)若者の多くが圏外へと働き場所を求めるようになった
(5)バスが代替手段として使われるようになった
環境や人々の行動が変わることによって、鉄道の利用者も変化していくことが分かりますね。
赤字路線を廃止しないためには
ローカル線、特に、地方の採算の取れないローカル線については、運航便の縮小や廃止などの合理化を推し進めています。
今後、ますますこの傾向は強くなり、採算の取れないローカル線は否が応でも廃止など淘汰される運命にあるかもしれません。
鉄道利用者にも影響が出てくる
ローカル線路の縮小や廃止は、何も鉄道会社の問題だけではありません。
沿線の住民、沿線自治体にとっても深刻な問題です。
その解決を、鉄道会社にだけ委ねる訳にはいかないでしょう。
それでは、沿線住民として、沿線自治としてどうすればよいでしょうか。
そのためには、次のような方策も大切だと考えます。
(1)沿線の住民としてローカル線を利用する
(2)沿線自治が補助金を出してローカル線を存続させる
(3)沿線自治体が協力、支援して第三セクターを発足させ、JRから鉄道事業を引き継ぐ
(4)利用者が見込める沿線の半分は存続させ、残りはバスなど代替手段を使う
ローカル線をこれからも存続させるためには、沿線住民、沿線自治体の協力、支援は欠かせません。
沿線住民のできることは、鉄道を利用して乗客率をあげることです。
例えば、車も使うが鉄道も利用する、というように「鉄道を利用する頻度を上げる」ことが大事だと思います。
沿線自治体としては、補助金を出すことで事業者に存続してもらう方法と第三セクター制度でJRから鉄道事業を引き継ぐ方法もあります。
しかし、この方法は、自治体の財政を逼迫させる恐れもあります。
引き継いだ事業が赤字経営となれば、存続は難しくなるでしょう。
バスによる代替手段も、自治体の財政に絡んできます。
バス利用が得か、それとも私有車が得かという問題もあり、実現は簡単ではありません。
まとめ
JRの推し進める赤字路線の運航便の縮小、廃止は毎年のように話題に上っています。
採算の取れない沿線を縮小、廃止するのは、営利企業としての当然の経営方法でしょう。
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